CDジャケットを自作するときに最初に迷いやすいのは、「どのパーツから作るか」「使うソフトでどこまで対応できるか」「入稿前に何を確認するか」の3つです。最初にサイズとツールの向き不向きを整理してからテンプレートへ入ると、やり直しをかなり減らせます。

CDジャケットを初めて作る CanvaかIllustratorで迷っている 入稿前の不備を減らしたい

先に結論

  1. 最初にフロント、バック、帯など必要パーツのサイズを確認する
  2. 印刷向けの安定感は Illustrator、手軽さは Canva、写真中心なら Photoshop
  3. 入稿前はサイズ、CMYK、塗り足し、アウトライン、画像埋め込みの5点を確認
CDジャケットのデザイン作業中のデスク写真(テンプレート・色見本・完成品が並ぶ)
CDジャケットのデザイン作業中のデスク写真
推奨: 1200x670 / ファイル名: cd-jacket-self-design-hero.jpg

テンプレートを使えば、初めてでもプロ品質のCDジャケットが作れる

CDジャケットのサイズ仕様

CDジャケットの各パーツ(表紙・裏表紙・背表紙)のサイズを示した展開図
CDジャケットの各パーツのサイズ展開図
推奨: 1200x600 / ファイル名: cd-jacket-size-diagram.jpg

表紙・裏表紙・背表紙のサイズ関係を把握しておくとデザインしやすい

デザインを始める前に、まずサイズを確認してください。ここを間違えると完成間近で全部やり直しになります。

フロントジャケット
120.5 x 120.5mm
塗り足し込み: 126.5 x 126.5mm
塗り足し
120.5mm
ケース表面。一番目立つ面。ここから作り始めるのが定石です。
バックインレイ
151 x 118mm
塗り足し込み: 157 x 124mm
背幅6.5mmの折り返しを含む。曲目リストを載せることが多い面。
帯(おび)
280〜295 x 50〜65mm
ケースに合わせて調整
折り返し部分10〜15mm含む。キャッチコピーや価格を入れる帯。
歌詞カード(4P)
見開き 241 x 120.5mm
塗り足し込み: 247 x 126.5mm
ページ数に応じてサイズ変動。4P=1枚折り。
盤面(レーベル)
外径118mm / 内径24mm
塗り足し: 外120mm / 内22mm
外118mm
円形データ。中心合わせ必須。

全ツール共通の3つの設定

350dpi 解像度(最低300dpi)
CMYK カラーモード
3mm 塗り足し(上下左右)

テンプレートの3つのゾーン

テンプレートには3つのガイドラインが含まれています。背景は外側まで、文字は内側に。この2つを守るだけで断裁事故を防げます。

塗り足し線(+3mm)
仕上がり線(断裁位置)
安全マージン(-3mm) 文字・ロゴはここに収める
塗り足し: 背景をここまで伸ばす
仕上がり線: 実際に切れる位置
安全マージン: 文字はこの内側に
覚え方: 背景画像は外へ広げる、大事な文字は内側に逃がす。塗り足し線ギリギリに文字を置くと、断裁ズレで文字が切れます。

テンプレートで確認

テンプレートを開いて、サイズとゾーンを実データで確認する

CDジャケットはパーツごとにサイズが違います。テンプレートなら塗り足し・仕上がり線・安全マージンがガイド付きで確認できます。

使うソフトごとの注意点

どのツールでもCDジャケットは作れますが、印刷データとしての安定感・手軽さ・得意分野が違います。

Illustrator
印刷に最も確実

印刷データ作成のスタンダード。印刷会社が最も歓迎するのはIllustratorデータ(.ai)。テンプレートを使えば塗り足し・トンボで迷わない。

  • CMYK・アウトライン・塗り足し全対応
  • テンプレートで即制作開始
  • 文字がベクターでくっきり
  • 月額課金(Adobe CC)
  • 初心者には操作が複雑
Canva
手軽さNo.1

ブラウザで操作でき、テンプレートやフリー素材が豊富。Illustratorを持っていない人の有力な選択肢。ただし印刷向け出力に制限あり。

  • 無料で始められる
  • テンプレートが豊富
  • ブラウザだけで完結
  • 無料版は300dpi・トリムマーク非対応
  • CMYKモード非対応(色味にズレ)
Photoshop
写真メインに強い

写真加工やイラストが中心のデザインに向く。ラスタ(ビットマップ)データのため、小さい文字がギザつきやすい点に注意。

  • 写真の加工・合成が自由自在
  • CMYK・350dpi対応
  • レイヤー管理が強力
  • 小さいテキストがジャギー
  • 拡大すると画質劣化

Illustratorの手順

  1. 印刷会社のサイトからテンプレート(.ai)をダウンロード
  2. テンプレートを開き、ガイドライン内にデザインを配置
  3. 写真やイラストは「埋め込み」にする(リンク切れ防止)
  4. テキストはすべてアウトライン化する
  5. カラーモードがCMYKになっているか確認
  6. .ai形式またはPDF/X-1aで保存して入稿
見落としNo.1: フォントのアウトライン化を忘れる人が非常に多いです。アウトライン化していないと、印刷会社のPCにそのフォントがなければ文字化けします。入稿前にもう一度「書式 → アウトラインを作成」を確認してください。

Canvaの手順

  1. 「デザインを作成」→「カスタムサイズ」で126.5 x 126.5mm(塗り足し込み)を指定
  2. テンプレートを選ぶか、白紙から自由にデザイン
  3. テキスト・画像を配置。仕上がり線の3mm内側に重要な要素を収める
  4. 「共有」→「ダウンロード」→ PDF(印刷)を選択
  5. Canva Proなら「トリムマークと塗り足し」にチェックを入れる
Canva無料版の制限: 300dpi出力、トリムマーク、塗り足し設定はすべて有料版(Canva Pro / 月額1,000円程度)のみ対応。印刷品質にこだわるなら加入を検討してください。

Photoshopの手順

  1. 「新規ドキュメント」で126.5 x 126.5mm / 350dpi / CMYKを設定
  2. ガイドを引いて仕上がり線と安全マージンを明示
  3. デザインを作成。背景はカンバス端(塗り足し線)まで伸ばす
  4. 完成後、レイヤーを統合してPSD形式またはTIFF形式で保存
使い分けのコツ: 写真メインのフロントジャケットはPhotoshopで作り、テキスト中心の歌詞カードはIllustratorで組む、という併用が現実的です。テキストが多いデザインはPhotoshop単体だと小さい文字がギザつきやすくなります。

CMYK と RGB の違い

画面で見る色(RGB)と印刷の色(CMYK)は仕組みが違います。RGBのまま入稿すると、特に鮮やかな色がくすんで見えます。

画面表示 RGB 光の三原色(鮮やか)
印刷 CMYK インクの四原色(やや沈む)
蛍光色に近い鮮やかな青・緑・ピンクは、CMYKだと再現しきれずくすんで見えます。最初からCMYKモードで作成すれば、画面と仕上がりの色差を最小限にできます。Canvaの場合はCMYK非対応なので、鮮やかすぎる配色は避けるのが無難です。

入稿前チェックリスト

CDジャケット入稿データのチェックポイント図解(塗り足し・安全マージン・背表紙の文字位置)
CDジャケット入稿データのチェックポイント図解
推奨: 1200x500 / ファイル名: cd-jacket-nyukou-check.jpg

特に背表紙の文字ズレは印刷後に気付くと修正が効かない

データができた!と思っても、そのまま入稿するのは危険です。以下の5項目を確認してから送ってください。不備があると再入稿になり、納期がずれます。

サイズ・塗り足し
仕上がりサイズ+上下左右3mmの塗り足しが確保されているか
塗り足しなしで作ってしまう
解像度
350dpi(最低300dpi)になっているか
72dpi(Web用)のまま入稿
カラーモード
CMYKになっているか(RGBだと色がくすむ)
Canva・Photoshop初期設定のRGBのまま
フォント
Illustratorの場合、すべてアウトライン化済みか
一部だけアウトライン化し忘れ
画像の埋め込み
リンク画像がすべて埋め込み済みか
リンクファイルを添付し忘れてX表示になる
この5項目をクリアすれば、入稿後の差し戻しはほぼ起きません。不安な場合は、印刷会社のデータチェックサービスを利用するのが確実です。

この記事のあとにやること

CDジャケットを自分で作るときは、サイズ確認→ソフト選定→入稿前チェックの順に進めると迷いにくくなります。

  • フロントジャケットは120.5 x 120.5mm、塗り足し込みで126.5 x 126.5mm
  • 解像度350dpi・カラーモードCMYK・塗り足し3mmが三大鉄則
  • Illustratorが最も確実。テンプレートを使えばガイドライン付きで迷わない
  • Canvaは手軽だが、印刷向け出力にはPro版が推奨
  • Photoshopは写真メインのデザインに向く。テキスト中心ならIllustratorと併用を
  • 入稿前は5項目チェックリストで確認してから送る

仕様が決まったら、次にやること

サイズ、使うソフト、入稿前チェックの流れが見えたら、次はテンプレートを開いて必要パーツを作り始める段階です。

1

テンプレートで土台を確認

フロント、バック、帯、歌詞カードのどこまで作るかを決めます。

2

ソフトでデータを整える

ツールの向き不向きに合わせて制作を進めます。

3

商品と価格を確認

単品かセットかを見ながら本番条件を固めます。

ここから次へ進む

テンプレートを開いて、CDジャケット印刷の条件と価格を確認する

サイズ確認だけで終わらせず、必要パーツと価格まで見てから進むと入稿前で止まりにくくなります。

  • テンプレートでサイズミスを減らせます
  • 商品ページで仕様と仕上がり例を確認できます
  • 価格表で条件ごとの費用を把握できます

迷ったら お問い合わせ から仕様確認もできます。

よくある質問(FAQ)

CDジャケットのフロントのサイズは?
プラケース(ジュエルケース)のフロントは120.5 x 120.5mmです。塗り足し3mmを含めて126.5 x 126.5mmでデータを作成してください。スリムケースやデジパック等はサイズが異なるので、使用するケースに合わせて確認が必要です。
Canvaで作ったデータは印刷に使える?
PDF出力すれば印刷に使えます。ただしCanva無料版は300dpi出力に非対応で、CMYKモードにも対応していないため、色味に差が出る可能性があります。有料版(Canva Pro)なら300dpiでのPDF出力が可能。それでもCMYKには対応しないので、鮮やかな色のくすみは覚悟してください。
入稿形式はPDFとAIどちらがいい?
Illustratorデータ(.ai)が最も確実です。フォントのアウトライン化を忘れずに。PDF/X-1a形式も多くの印刷会社が受け付けています。PhotoshopデータならPSD(レイヤー統合済み)またはTIFF形式が一般的です。
テンプレートはどこで手に入る?
印刷会社のサイトからダウンロードできることが多いです。アイリィデザインでもCDジャケット用テンプレートをご用意しています。テンプレートには仕上がり線・塗り足し線・安全マージンのガイドが含まれているので、サイズミスを防げます。
テンプレートをダウンロード →
RGBのまま入稿するとどうなる?
印刷はCMYKで行われるため、RGBデータは自動変換されます。特に蛍光色に近い鮮やかな青や緑はくすんで見えやすく、画面と仕上がりの色差が大きくなります。最初からCMYKモードで作成するのが確実です。