印刷データの入稿ミスで最も多いのは「塗り足し忘れ」「RGB入稿」「フォント未アウトライン」の3つです。どれも知っていれば防げるのに、チェックを怠ったせいで再入稿になるケースが後を絶ちません。

このページでは、入稿前に確認すべき10項目のチェックリストと、Illustrator・Photoshop・Canva・PowerPointそれぞれの具体的な設定手順をまとめました。

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このチェックリストの使い方

入稿ボタンを押す前に、下の10項目すべてにチェックが入るか確認してください。1つでもNGがあれば、そのまま入稿しないでください。修正してから入稿すれば、再入稿の手間と納期のロスを防げます。

  • 各項目の「確認内容」欄を見て、自分のデータが条件を満たしているか照合する
  • 判断に迷う項目は、下の詳細説明(H3)を読む
  • 使っているソフトごとの設定方法は「ソフト別の設定方法」セクションにまとめてある

入稿データ10のチェック項目

# チェック項目 確認内容
1 塗り足し3mm 上下左右すべて3mm以上の塗り足しがあるか
2 トンボ(トリムマーク) AI/PDFにトンボが付いているか
3 カラーモードCMYK RGBのままになっていないか
4 解像度300dpi以上 写真・画像が粗くないか
5 フォントのアウトライン化 テキストデータが残っていないか
6 文字の安全マージン3mm 仕上がり線ギリギリに文字がないか
7 リッチブラック確認 CMYK合計350%以下か
8 画像の埋め込み リンク画像が切れていないか
9 不要レイヤー削除 非表示レイヤーが残っていないか
10 ファイル形式確認 AI/PSD/PDFの指定通りか

1. 塗り足し3mm

塗り足しとは、仕上がりサイズの外側に3mm余分にデザインを伸ばす領域です。印刷物は大きな紙にまとめて刷り、あとから断裁します。断裁機には微小なズレ(0.5〜1mm程度)が発生するため、塗り足しがないと端に白い隙間が出ます。

確認方法: Illustratorなら「ドキュメント設定」で裁ち落としが上下左右3mmになっているか確認。背景色や写真が仕上がり線の外まで伸びているかを目視チェックします。

ミスるとどうなるか: 仕上がりの端に意図しない白いフチが出る。特に背景がベタ色や写真の場合は目立ちます。

2. トンボ(トリムマーク)

トンボは断裁位置を示すマークです。印刷工場はこのトンボを目印にして紙を切ります。トンボがないと、どこで切ればいいのか分かりません。

確認方法: Illustratorの場合、仕上がりサイズの四隅にL字型のマークが見えていればOK。PDF入稿の場合は「トンボ付きPDF」で書き出しているか確認してください。

ミスるとどうなるか: 断裁位置が特定できず、印刷会社から再入稿の連絡が入ります。納期が遅れる直接の原因になります。

3. カラーモードCMYK

印刷はCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)の4色インクで再現します。パソコン画面はRGB(光の三原色)で表示しているため、RGBのまま入稿すると色味が変わります。

確認方法: Illustratorなら「ファイル → ドキュメントのカラーモード」がCMYKになっているか確認。Photoshopなら「イメージ → モード」を確認します。

ミスるとどうなるか: 画面で見ていた鮮やかな色が、印刷ではくすんだ色に変わります。特に蛍光グリーンや鮮やかなブルーはCMYKでは再現できません。

4. 解像度300dpi以上

印刷に必要な解像度は300〜350dpiです。Webサイトの画像は72dpiが一般的なので、そのまま使うと印刷時にぼやけます。

確認方法: Photoshopの「イメージ → 画像解像度」で確認。Illustratorの場合は「リンク」パネルで配置画像の解像度を確認できます。原寸(100%表示)での解像度で判断してください。

ミスるとどうなるか: 写真やイラストがぼやけてモザイク状に見えます。小さい画像を無理に拡大した場合が特にひどくなります。

5. フォントのアウトライン化

テキストデータがフォント情報として残っていると、印刷会社のPCに同じフォントがない場合、別のフォントに置き換わります。アウトライン化すれば、文字を図形データに変換できるため、どの環境でも同じ表示になります。

確認方法: Illustratorで「書式 → フォント検索」を実行し、フォントが0件であればアウトライン化済み。PDF入稿の場合は「フォントの埋め込み」でも代用可能です。

ミスるとどうなるか: フォントが置き換わり、文字の形・サイズ・行間が崩れます。レイアウトが完全に壊れることもあります。

6. 文字の安全マージン3mm

仕上がり線(断裁線)の内側3mm以内には、切れてほしくない文字や重要な図版を置かないでください。断裁のズレで文字が切れる可能性があります。

確認方法: Illustratorなら仕上がり線から3mm内側にガイド線を引き、文字やロゴがはみ出していないかチェックします。

ミスるとどうなるか: 断裁ズレで文字の端が切れます。電話番号やURLが1文字欠けるだけで、印刷物として使い物になりません。

7. リッチブラック確認

K(黒)100%だけで印刷すると、広い面積のベタ黒がやや薄く見えることがあります。そこでCMYを混ぜた「リッチブラック」を使いますが、CMYK合計値が350%を超えるとインクが乾かず裏移りや用紙の波打ちが発生します。

確認方法: Illustratorの「分版プレビュー」でインク総量を確認。推奨値はC60/M40/Y40/K100(合計240%)です。

ミスるとどうなるか: インク量過多で乾燥不良になり、裏面にインクが付着(裏移り)します。用紙が波打つこともあります。

8. 画像の埋め込み

Illustratorで画像を「リンク」で配置している場合、入稿時に元画像のファイルも一緒に送る必要があります。埋め込みに変更すれば、AIファイル単体で画像を含められます。

確認方法: 「リンク」パネルで各画像の状態を確認。リンクアイコン付きの画像があれば、選択して「画像を埋め込み」を実行します。

ミスるとどうなるか: 画像が表示されず、×マークや低解像度のプレビューのまま印刷されます。

9. 不要レイヤー削除

非表示レイヤーにメモやラフ案が残っていると、意図しない要素が印刷に出ることがあります。印刷会社によってはレイヤーを統合して処理するため、非表示レイヤーの内容まで印刷される場合があります。

確認方法: レイヤーパネルで非表示レイヤーがないか確認。不要なレイヤーは削除してからアウトライン化・画像埋め込みを行います。

ミスるとどうなるか: 「校正用テキスト」「案2のデザイン」など、不要な要素が印刷物に出てしまいます。

10. ファイル形式確認

印刷会社ごとに対応ファイル形式が異なります。AI・PSD・PDFが一般的ですが、バージョン指定がある場合もあります。当社の場合は、AI(CC対応)・PSD・PDF(X-1a推奨)に対応しています。

確認方法: 入稿先の仕様ページで対応形式を確認。PDF入稿の場合は「PDF/X-1a」または「プレス品質」で書き出すのが安全です。

ミスるとどうなるか: 非対応のファイル形式で入稿すると、開けない・変換でレイアウトが崩れるといったトラブルが起きます。

ソフト別の設定方法

Adobe Illustrator

設定項目 操作手順
塗り足し ドキュメント設定 → 裁ち落とし → 天地左右すべて3mm
トンボ 効果 → トリムマーク、またはファイル → 印刷... → トンボ
CMYK変換 ファイル → ドキュメントのカラーモード → CMYK
アウトライン すべて選択(Ctrl+A) → 書式 → アウトラインを作成
画像埋め込み リンクパネル → リンク画像を選択 → 右上メニュー → 画像を埋め込み

Adobe Photoshop

設定項目 操作手順
カラーモード イメージ → モード → CMYKカラー
解像度 イメージ → 画像解像度 → 300ppi(「再サンプル」をOFFにしてサイズ確認)
保存形式 PSD or PDF(レイヤー統合推奨)

Canva

設定項目 操作手順
PDF保存 共有 → ダウンロード → ファイルの種類「PDF(印刷)」
塗り足し 「トリムマークと塗り足し」にチェックを入れる
注意点 カラーモードはRGBベース。CMYKが必要な場合はCanva Proを使うか、PDF書き出し後にIllustratorで変換

Microsoft PowerPoint

設定項目 操作手順
サイズ設定 デザイン → スライドのサイズ → ユーザー設定のスライドのサイズ
塗り足し 仕上がりサイズ+6mm(上下左右3mm分)でスライドサイズを設定
PDF保存 ファイル → 名前を付けて保存 → ファイル形式「PDF」
注意点 フォント埋め込みの確認が必要。オプション → 保存 → 「ファイルにフォントを埋め込む」にチェック

よくある入稿ミスの実例

塗り足しなし → 白フチが出る

背景色や写真が紙面の端まであるデザインで、塗り足しを付けずに入稿したケースです。断裁の微小なズレによって、仕上がりの1辺〜2辺に0.5〜1mm程度の白い隙間が出ます。名刺やチラシなど背景がベタ色のデザインで特に目立ちます。100枚刷ると、白フチの出方は1枚ごとに微妙に異なります。

RGB入稿 → 色がくすむ

Webデザインで使ったRGBデータをそのまま印刷に回したケースです。画面上の鮮やかな蛍光グリーンやビビッドなブルーが、印刷ではくすんだ緑やダークブルーに変わります。CMYKでは表現できない色域があるためで、特にネオンカラー系は大きくズレます。入稿前にCMYKに変換し、画面上で色味を確認してから入稿してください。

解像度不足 → 写真がギザギザ

Webサイトからダウンロードした72dpiの画像をそのまま配置したケースです。パソコン画面では問題なく見えても、印刷すると写真がモザイク状にぼやけます。スマホで撮った写真でも、元のサイズが小さいまま拡大配置すると同じ現象が起きます。配置する実寸で300dpi以上あるかを必ず確認してください。

よくある質問(FAQ)

塗り足しとは何ですか?

塗り足し(ぬりたし)は、仕上がりサイズの外側に3mm余分にデザインを伸ばす領域です。断裁時のズレで白い隙間が出るのを防ぎます。背景色や写真が端まであるデザインでは必須です。

リッチブラックとは何ですか?

リッチブラックは、K100%に加えてCMYも混ぜた濃い黒色です。広い面積のベタ黒を深く見せるために使います。ただし、CMYK合計が350%を超えるとインクが乾かず裏移りするため、C60/M40/Y40/K100程度(合計240%)が推奨です。

Canvaのデータでも入稿できますか?

はい、入稿できます。CanvaからPDF形式でダウンロードする際、「トリムマークと塗り足し」にチェックを入れてください。カラーモードはCMYKを推奨しますが、RGBでも当社で対応可能です。Canva Proならカラープロファイル設定でCMYK出力ができます。

解像度が足りないとどうなりますか?

解像度が300dpi未満だと、印刷時に写真やイラストがぼやけたりギザギザに見えたりします。特に大きく拡大した画像は顕著です。Web用の72dpi画像はそのまま使えません。元画像の解像度が低い場合は、高解像度の素材を用意し直す必要があります。

入稿データのことなら「アイリィデザイン」にご相談ください

チェックリストで不安が残る場合は、入稿前にデータをお送りいただければ確認いたします。
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お電話でのご相談: 052-684-5557(平日10:00-18:00)

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