よくある印刷データエラーと対処法
入稿ミスを防ぐチェックリスト
印刷データを入稿する際、データ不備が原因で納期が遅れたり、思い通りの仕上がりにならなかったりすることがあります。実は、印刷トラブルの約70%はデータ不備が原因です。
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本記事では、印刷のプロが実際の現場で蓄積してきたノウハウをもとに、入稿前に必ずチェックすべき7つのポイントを解説します。このチェックリストを活用すれば、印刷データ不備によるトラブルを未然に防ぐことができます。
よくあるデータ不備トップ5
印刷データの不備には、繰り返し発生する典型的なパターンがあります。まず、最も多い5つの不備を知っておきましょう。
1. 解像度不足:画像が荒く、ぼやけた印刷になる原因です。特にウェブから取得した画像をそのまま使用するケースで発生します。
2. 塗り足し未設定:仕上がりサイズぴったりでデータを作成すると、断裁時にわずかなズレで白い部分が出てしまいます。
3. フォントのアウトライン化忘れ:異なる環境では指定したフォントが別のフォントに置き換わり、レイアウトが崩れることがあります。
4. RGBカラーモードのまま入稿:印刷はCMYKで行われるため、RGBデータでは色が変わってしまいます。
5. 文字やロゴが断裁線に近すぎる:重要な情報が切れてしまうリスクがあります。安全エリアの確保が必要です。
解像度・画質の確認方法
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印刷に適した解像度は、基本的に350dpi以上が推奨されます。これは、肉眼で見たときに滑らかで高品質な印刷を実現するために必要な数値です。
IllustratorやPhotoshopでは、配置画像を選択して「リンクパネル」から実効解像度を確認できます。実効解像度が300dpi以下の場合は、画像を差し替えるか、より高解像度の素材を用意しましょう。
名刺やチラシなど、顔写真や商品写真が重要な役割を果たす印刷物では、特に解像度の確認が重要です。チラシ印刷をご検討の方は、画像品質に十分ご注意ください。
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塗り足しと文字切れ対策
塗り足しとは、仕上がりサイズの外側に設ける余分な領域のことで、通常上下左右に3mmずつ追加します。印刷後の断裁工程でわずかなズレが生じても、デザインに影響が出ないようにするための重要な設定です。
Illustratorでドキュメントを作成する際は、「裁ち落とし」の設定を3mmに指定します。背景色や背景画像は、必ずこの塗り足し領域まで伸ばしておきましょう。
一方、文字やロゴなどの重要な情報は、断裁線から3mm以上内側に配置します。この安全エリアを守ることで、文字切れのリスクを回避できます。特に名刺印刷では、電話番号やメールアドレスなどの重要情報が切れないよう注意が必要です。
フォントのアウトライン化
フォントのアウトライン化は、印刷データ入稿における最重要チェック項目の一つです。アウトライン化とは、文字データを図形データに変換する処理で、これにより環境が異なってもフォントが正しく表示されます。
Illustratorでのアウトライン化手順は以下の通りです。
- すべてのレイヤーのロックを解除
- 「選択」メニュー → 「すべてを選択」(Ctrl+A / Cmd+A)
- 「書式」メニュー → 「アウトラインを作成」(Shift+Ctrl+O / Shift+Cmd+O)
- 別名で保存し、元データも保管しておく
注意点として、一度アウトライン化したテキストは編集できなくなるため、必ず元データのバックアップを保存してから実行してください。
カラーモードの確認
デジタルデザインではRGB、印刷ではCMYKというカラーモードの違いは、印刷データ不備の代表例です。RGBは光の三原色で画面表示に最適化されており、CMYKはインクの四原色で印刷に最適化されています。
Illustratorで現在のカラーモードを確認するには、「ファイル」メニュー → 「ドキュメントのカラーモード」で確認できます。RGBになっている場合は、CMYKに変更しましょう。
特にビビッドな青や緑、蛍光色に近い色はRGBとCMYKで大きく差が出やすいため、印刷前に色校正を行うことをおすすめします。カラーモードについてさらに詳しく知りたい方は、RGB・CMYKの違いと印刷データ作成の注意点の記事もご参照ください。
PDF保存の正しい方法
印刷用データは、PDF形式での入稿が最も安全で推奨される方法です。しかし、PDF保存にも正しい設定があります。
Illustratorから印刷用PDFを保存する際の推奨設定は以下の通りです。
- Adobe PDF プリセット:PDF/X-1a(最も互換性が高い)
- 互換性:Acrobat 4 (PDF 1.3) 以上
- カラー変換:変換しない(データ作成時点でCMYKにしておく)
- トンボと裁ち落とし:裁ち落とし3mm、トリムマークを含める
保存後は、必ずPDFを開いて目視確認を行いましょう。フォントが正しく埋め込まれているか、画像が正しく表示されているかを最終チェックします。Acrobat Readerで開き、「ファイル」→「プロパティ」→「フォント」タブで、すべてのフォントが「埋め込みサブセット」となっていることを確認してください。
また、チケット印刷や名刺印刷など、細かい文字が多い印刷物では、PDF保存時の設定ミスが品質に直結するため特に注意が必要です。
まとめ
印刷データ不備を防ぐための7つのチェックポイントをご紹介しました。
- よくある不備パターンを理解する
- 解像度は350dpi以上を確保
- 塗り足し3mm、安全エリア3mmを設定
- フォントは必ずアウトライン化
- カラーモードはCMYKで作成
- PDF保存はPDF/X-1a形式で
- 保存後の目視確認を怠らない
これらのチェックリストを入稿前に確認することで、印刷データ不備によるトラブルや納期遅延を防ぐことができます。不安な場合は、デザインから印刷まで一括で依頼することで、データ不備の心配なく高品質な印刷物を手に入れることができます。