塗り足しとは?印刷で白フチを防ぐ3mmの秘密

更新日: 2026年2月6日 / カテゴリ: 印刷の基礎知識

「塗り足しって何ですか?」——印刷会社で働いていると、この質問を週に何回も受けます。特にデザイン初心者の方や、初めて印刷物を発注する方から。

正直、最初は「え、知らないの?」と思ったこともありました。でも考えてみれば、学校で習うわけでもないし、知らなくて当然なんですよね。むしろ、知らないまま入稿して「端っこが白くなってる!」と後悔する前に、この記事を読んでくれているあなたはラッキーです。

塗り足しって、結局なに?

塗り足しとは、仕上がりサイズより外側に絵柄を伸ばしておく部分のことです。「裁ち落とし」「ドブ」とも呼ばれます。

なぜ必要かというと、印刷物は大きな紙に印刷してから裁断するんですが、この裁断機も機械なので、どうしても0.5〜1mm程度のズレが発生します。そのズレを考慮して、あらかじめ外側まで絵柄を伸ばしておくわけです。

簡単に言うと
塗り足し=「切りしろ」です。裁断でズレても白い余白が出ないように、保険として3mm余分に絵柄を伸ばしておく。それだけの話です。

塗り足しがないとどうなる?

実際に塗り足しなしで入稿されたデータを印刷すると、こうなります:

  • 端に白い線が出る——裁断が少し内側にズレると、背景色が切れて紙の白が見える
  • 仕上がりが不均一——1枚ごとにズレ方が違うので、端の余白がバラバラになる
  • 再印刷になることも——ひどい場合は刷り直し。納期も遅れるし、追加費用がかかる
よくある失敗例
「背景を白にすれば塗り足しいらないでしょ?」——これ、半分正解で半分間違いです。背景が白でも、写真や色のある要素が端まで来ている場合は塗り足しが必要です。「端まで絵柄がある」かどうかで判断してください。

塗り足しの正しい作り方

基本ルール:3mm

塗り足しは上下左右それぞれ3mmが標準です。つまり、A4サイズ(210×297mm)なら、塗り足し込みで216×303mmのデータを作ります。

サイズ名 仕上がりサイズ 塗り足し込み
A4 210×297mm 216×303mm
A5 148×210mm 154×216mm
はがき 100×148mm 106×154mm
名刺 91×55mm 97×61mm

Illustratorでの設定方法

Illustratorなら、新規ドキュメント作成時に「裁ち落とし」の欄に「3mm」と入力するだけ。簡単です。

  1. 「ファイル」→「新規」を選択
  2. 幅・高さに仕上がりサイズを入力
  3. 「裁ち落とし」に「3mm」と入力(上下左右すべて)
  4. 背景や写真は赤い裁ち落とし線まで伸ばす

Photoshopでの設定方法

Photoshopには「裁ち落とし」設定がないので、最初から塗り足し込みのサイズでカンバスを作成します。

  1. 仕上がりサイズ+6mm(上下3mm+左右3mm)でカンバスを作成
  2. ガイドで仕上がり線を引いておく
  3. 背景はカンバス端まで伸ばす

Canvaでの注意点

Canvaは基本的に塗り足しに対応していません。「印刷用PDF」でダウンロードすると塗り足しが付く場合もありますが、印刷会社によっては対応できないことも。Canvaで作ったデータを入稿する場合は、事前に印刷会社に確認することをおすすめします。

入稿時のチェックリスト

塗り足しチェック項目
  • □ 塗り足しが上下左右3mmずつある
  • □ 背景・写真が塗り足し線まで伸びている
  • □ 重要な文字は仕上がり線から5mm以上内側にある
  • □ 端ギリギリに切れてほしくない要素がない

よくある質問

Q. 塗り足しは5mmでもいい?

多い分には問題ありません。ただ、多くの印刷会社は3mmを標準としているので、特に指定がなければ3mmで作っておけば間違いありません。

Q. 塗り足し部分に文字を入れてもいい?

ダメです。塗り足し部分は裁断で切り落とされるので、文字や重要な要素は絶対に入れないでください。仕上がり線から5mm以上内側に配置するのが安全です。

Q. 背景が白なら塗り足しは不要?

背景が完全に白で、端まで来る写真やイラストがない場合は、塗り足しがなくても大丈夫です。ただし、「塗り足しあり」で入稿しても問題はないので、迷ったら付けておくのが無難です。

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