そもそも「海外プレス」ってどこ?

日本の印刷業者が「国外プレス」と呼ぶときは、ほぼ台湾か韓国を指します。どちらも日本向けのCD/DVD量産設備を持つ工場が残っており、日本の業者が窓口となって取次ぎ、国内で検品してから納品する方式が一般的です。

つまり「海外プレス=怪しい」ではなく、実態は国内業者が海外工場と提携しているだけ。検品も日本で行うので、不良品がそのまま届くリスクは極めて低いです。この前提は押さえておいてください。

4軸で比較

項目国内プレス国外プレス(台湾・韓国)
品質 高い。検品体制が厚い ほぼ同等。国内検品を通すため差は出にくい
納期 14〜21営業日(速い) 24〜30営業日(船便含む)
コスト(小ロット100〜500) やや割高 明確に安い(30〜50%安)
コスト(大ロット600〜) 国内のほうが有利になる 受注不可(業者によっては非対応)
リスク 低い。修正対応も即時 船便の遅延(数日程度)、データ再入稿に時間

品質差はほぼゼロ、と言い切っていい

「海外プレスは音質が悪い」「盤の反射がおかしい」といった都市伝説を見かけることがありますが、現実にはCD-DAの物理規格(Red Book)に準拠している工場である限り、プレーヤーで鳴らしたときの音質差は出ません。音質の最終決定要因はマスタリングとマスターデータのほうで、プレス工場の所在地は音に影響しません。

盤面印刷(シルクやオフセット)の発色も、印刷機の世代差によるもので、国/海外の差ではありません。国内検品を通すので、色味の大きなズレは弾かれます。

例外:業者を自分で探して工場と直接取引する場合は、検品体制が弱いケースがあります。日本の印刷通販業者経由で発注するぶんには、まず心配する必要はありません。

コストは小ロットで海外、大ロットで国内が逆転

国外プレスは固定費(スタンパー代・取次コスト)が低めに抑えられているので、100〜500セットの小ロット範囲で料金が大きく下がります。一方で600セット以上の量産になると、国内のほうが単価が安くなる逆転が起こります。

アイリィデザインの実料金で見るとわかりやすいです。シンプルパック2Pの100セット:

  • 国内プレス14営業日:税込 97,800円
  • 国外プレス24営業日:税込 49,800円

差額48,000円。これが1,000セットになると国外プレスは対応しなくなり、国内プレスのみの受注になります。

具体的な数量別の料金カーブは CD完パケ 小ロット100枚からの料金と注意点 で表にしています。

納期リスクの読み方

国外プレスの納期は「24〜27営業日」と幅を持たせて表記されます。これは船便の到着がタイトだと前後するためで、決して「納期をサバ読みしている」わけではありません。

ただし、次のような状況では国内プレス一択です。

  • M3・コミケまで1カ月以内:入稿〜修正〜プレス〜納品をギリギリで組むことになるので、海外だと間に合わない
  • 急な増刷:1回目のロットが想定より早く捌けた場合の追加発注は国内推奨
  • 特定日の納品指定:誕生日記念盤・結婚式用など、絶対にずらせない日付がある場合

逆に、リリース日にゆとりがある場合(1.5カ月以上先)は、国外プレスで料金を浮かせる判断がシンプルにお得です。

結論:M3まで○日ルール

  • M3まで1カ月未満:国内プレス一択
  • M3まで1〜1.5カ月:国内プレスで安全に
  • M3まで1.5〜2カ月:国外プレスで料金を浮かせる
  • M3まで2カ月以上:国外プレスで余裕を持って

このざっくりルールに当てはめれば、迷いが減ります。数量が600セット以上になる時点で国外プレスの選択肢は消えるので、迷うのは「小ロット × 時間の余裕」の組み合わせだけです。

まとめ

  • 国外プレスは台湾・韓国の工場。国内検品を通すので品質差はほぼない
  • 小ロット(100〜500)は国外が30〜50%安、大ロット(600〜)は国内のみ
  • 納期は国内14〜21営業日、国外24〜30営業日が目安
  • M3まで1カ月未満なら国内、1.5カ月以上あれば国外で料金を浮かせる

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