「完成した印刷物を見たら、画面で見ていた色と全然違う...」そんな経験をされた方は少なくないはずです。モニターで確認したときは鮮やかだったのに、届いた印刷物はくすんで見える。この色の違いには明確な理由があります。本記事では、印刷の色が合わない原因と、その対策について具体的に解説します。
印刷の色が違う!原因と対策|モニターと印刷の色差を解消
色が違う主な原因(RGB/CMYK)
印刷物の色がモニターと異なる最大の要因は、RGBとCMYKという2つのカラーモードの違いです。RGBは光の三原色(赤・緑・青)で色を表現し、パソコンやスマートフォンのディスプレイで使われます。光を混ぜるほど明るくなるため、鮮やかな発色が可能です。
対してCMYKは、シアン・マゼンタ・イエロー・ブラックのインクで色を再現します。インクを重ねるほど暗くなる仕組みのため、RGBで表示できる蛍光色や鮮やかなブルー、グリーンなどは再現できません。Webからダウンロードした画像やスマホで撮った写真はほぼRGBなので、そのまま印刷に使うと想定外の色になります。
モニターと印刷物の発色の違い
モニターは自ら光を発する「発光体」です。暗い部屋でも画面は明るく見えます。一方、印刷物はインクが紙に乗った状態で、光を反射して目に届きます。この物理的な仕組みの違いにより、同じ色データでも見え方が変わります。
さらに、モニターのメーカーや設定(明るさ・コントラスト)によっても表示色は異なります。自宅のパソコンと職場のパソコンで同じデータを開いても、色味が違って見えるのはこのためです。完璧にモニターと印刷物の色を一致させることは原理的に不可能ですが、ある程度近づけることはできます。
データ作成時の注意点
色の問題を防ぐには、データ作成の段階で対策が必要です。IllustratorやPhotoshopを使う場合、新規ファイル作成時にカラーモードを「CMYK」に設定してください。途中でRGBからCMYKに変換すると、彩度の高い部分が大きく変化することがあります。
黒色の設定にも注意が必要です。K(黒)100%だけで塗った黒と、CMYKを混ぜて作るリッチブラックでは、印刷時の濃さが異なります。広い面積の黒にはリッチブラック(例:C40 M40 Y40 K100)を使いましょう。ただし、細かい文字はK100%の方がシャープに仕上がります。また、画像の解像度不足も仕上がりに影響するため、350dpi以上を確保してください。
色校正サービスの活用
本印刷の前に実際の色味を確認したい場合は、色校正サービスを利用しましょう。色校正とは、本番と同じ印刷条件で試し刷りを行い、仕上がりをチェックする工程です。企業ロゴのコーポレートカラーや、商品パッケージなど色の正確さが求められる印刷物では、色校正を挟むことでミスを防げます。
色校正には「本紙校正」と「簡易校正」があります。本紙校正は実際に使う用紙で刷るため精度が高く、簡易校正はコストを抑えつつ大まかな色味を確認できます。目的と予算に応じて選択してください。
特色印刷という選択肢
CMYKの4色では再現が難しい色を使いたい場合、特色印刷(スポットカラー)を検討してください。特色は、あらかじめ調合された専用インクで印刷する方法です。DICカラーやPANTONEといった規格があり、色見本帳で正確な色を指定できます。
金・銀・蛍光色なども特色で表現可能です。コーポレートカラーを厳密に再現したい場合や、他社と差別化したいパンフレットなどに有効です。通常の4色印刷より費用はかかりますが、ブランドイメージを守るためには効果的な投資といえます。
まとめ
印刷の色がモニターと違う原因は、RGBとCMYKという根本的な発色の仕組みの違いにあります。データ作成時はCMYKモードで制作し、画像の解像度も確認しましょう。色へのこだわりが強い印刷物では、色校正サービスを活用することで安心して仕上げられます。また、CMYKでは再現できない鮮やかな色には特色印刷という選択肢もあります。色の問題は事前の準備で防げるため、不明点があれば遠慮なくご相談ください。
ポイントまとめ
- RGBは光、CMYKはインクで色を作る。蛍光色などはCMYKでは再現困難
- モニターは発光体、印刷物は反射体のため、同じデータでも見え方が異なる
- データ作成は最初からCMYKモードで。解像度は350dpi以上を確保
- 色へのこだわりがあれば、本印刷前に色校正で確認
- 金銀・蛍光色など特殊な色は、特色印刷で対応可能