両面印刷のチラシやパンフレットを手に取ったとき、裏側の印刷が透けて見えてしまう経験はありませんか。この「裏写り」は印刷物の品質を左右するトラブルの一つです。せっかくのデザインも、文字が読みにくくなったり、見た目の印象が悪くなったりして台無しになってしまいます。本記事では、裏写りの原因を明らかにし、用紙の厚さや印刷濃度の調整による具体的な対策をご紹介します。

裏写りが起こる原因

裏写りが発生する根本的な原因は、用紙の「不透明度」と「印刷のインク量」にあります。紙は繊維の集まりでできており、薄い紙ほど光を通しやすくなります。そこに濃いインクで印刷すると、裏面から見たときに印刷内容がうっすらと見えてしまうのです。

特に黒やネイビーなど濃い色のベタ塗りや、写真を多用したデザインでは裏写りが顕著になります。インクが紙に染み込む量が多いほど、裏側への影響も大きくなります。また、印刷直後はインクが乾ききっていないため、重ねて保管すると上の用紙にインクが付着する「セットオフ」という現象も起こりやすくなります。

用紙の厚さ(kg)選びの重要性

裏写りを防ぐ最も効果的な方法は、適切な厚さの用紙を選ぶことです。印刷用紙の厚さは「kg」という単位で表され、四六判1000枚あたりの重さを示しています。数値が大きいほど厚い紙になり、裏写りしにくくなります。

一般的なチラシにはコート紙90kg〜110kgが使われますが、両面印刷で裏写りが気になる場合は110kg以上を選ぶと安心です。濃い色のデザインが多い場合や、高級感を出したい印刷物では135kg以上がおすすめです。上質紙の場合も同様に、70kgより90kg、90kgより110kgと厚めを選ぶことで裏写りのリスクを減らせます。

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印刷濃度の調整

用紙の厚さだけでなく、デザイン段階で印刷濃度を調整することも裏写り対策として有効です。黒を印刷する際、K100%(ブラック100%のみ)で作成すると、4色を重ねたリッチブラックに比べてインク総量が少なくなり、裏写りを抑えられます。

リッチブラックはC40%+M40%+Y40%+K100%のようにCMYK4色を重ねて深みのある黒を表現しますが、インク総量が多くなるため裏写りのリスクが高まります。写真や画像を配置する際も、全体的に暗すぎる画像はインク量が増えるため、適度な明るさに調整しておくと効果的です。

両面印刷での注意点

両面印刷を行う場合、表と裏のデザインバランスにも気を配る必要があります。表面にベタ塗りの背景がある位置に、裏面で細かい文字を配置すると読みづらくなる可能性があります。レイアウトを工夫して、濃い印刷部分が表裏で重ならないように調整すると、裏写りの影響を軽減できます。

また、両面印刷では片面印刷よりも厚めの用紙を選ぶのが基本です。コート紙なら最低でも110kg以上、上質紙なら90kg以上を目安にしてください。パンフレットやカタログなど保存性を求める印刷物では、135kg以上の用紙を使用することで、しっかりとした質感と裏写りのない仕上がりを両立できます。

適した用紙選び(マット紙/上質紙)

用紙の種類によっても不透明度は異なります。マットコート紙は、光沢を抑えた落ち着いた質感で、コート紙に比べて不透明度が高い傾向があります。裏写りが気になる場合はマットコート紙を選ぶのも一つの方法です。

上質紙は表面に塗工がなく自然な風合いが特徴ですが、インクの吸収性が高いため裏写りしやすい側面もあります。上質紙で両面印刷を行う場合は、110kg以上の厚手タイプを選ぶか、印刷濃度を控えめにするなどの対策が必要です。どの用紙が最適か迷う場合は、印刷会社に相談して用紙サンプルを確認することをおすすめします。

まとめ

印刷の裏写りは、用紙の薄さと印刷濃度の高さが主な原因です。対策としては、まず適切な厚さの用紙を選ぶこと。両面印刷ではコート紙110kg以上、上質紙90kg以上を目安にしてください。次に、デザイン段階でインク総量を抑える工夫をすること。リッチブラックを避けたり、画像の明るさを調整したりすることで改善できます。

表裏のデザインバランスを考慮し、濃い印刷部分が重ならないようにレイアウトすることも効果的です。マットコート紙など不透明度の高い用紙を選ぶのも有効な手段です。アイリィデザインでは、用紙のご相談から印刷まで丁寧にサポートしています。裏写りのない美しい印刷物をお求めの方は、お気軽にお問い合わせください。