フィットネスクラブやサロン、スクールなど、会員制のビジネスで欠かせないのが会員証です。「紙のカードで十分なのか、それともプラスチックにすべきか」と迷う方も多いのではないでしょうか。素材や加工の選び方ひとつで、会員の満足度や運用のしやすさが変わってきます。この記事では、会員証印刷の仕様選びについて、現場で役立つ情報をまとめました。
会員証の種類(紙/プラスチック)
会員証には大きく分けて紙製とプラスチック製の2種類があります。それぞれの特徴を押さえて、用途に合った素材を選びましょう。
紙製の会員証は、コート紙やマットコート紙に印刷して作ります。220kg程度の厚みがあれば、カードとしての強度も確保できます。コストを抑えられるので、短期間のキャンペーン用カードや、年度ごとに更新する会員証に向いています。PP加工(ラミネート)を施せば、水濡れや汚れにも強くなります。
一方、プラスチック製はPVC(塩化ビニール)素材が主流です。クレジットカードと同じ0.76mmの厚みで、耐久性は抜群。財布の中で何年も持ち歩いても、折れたり傷んだりしにくいのが特徴です。長期間使う会員証や、VIP会員向けのカードにぴったりです。ショップカード印刷でも、プラスチック素材を選ぶお店が増えています。
プラスチックカードのメリット
プラスチックカードを選ぶ理由として、まず挙げられるのが耐久性の高さです。紙製のカードは半年も使うと角が折れたり、印刷面が擦れたりしてきます。プラスチック製なら3年以上きれいな状態を保てるので、再発行の手間やコストも減らせます。
また、プラスチックカードは高級感があります。手に取ったときの質感がクレジットカードと同等なので、「大切に扱おう」という気持ちが自然と生まれます。プレミアム会員や年会費制のサービスでは、このカード自体が価値を感じさせるツールになります。
加工のバリエーションも豊富です。エンボス加工で会員番号を刻印したり、磁気ストライプを付けて入退室管理に使ったり。透明カードやメタリック仕上げなど、デザインの自由度も高くなります。名刺印刷と同様に、第一印象を左右するアイテムとして力を入れる企業が増えています。
エンボス加工・磁気ストライプ
エンボス加工とは、カード表面に凹凸をつけて文字や数字を刻印する技術です。クレジットカードのカード番号と同じ仕組みで、触っただけで会員番号がわかります。見た目のインパクトがあるだけでなく、偽造防止にも効果があります。仕上げにはゴールドやシルバーの箔を入れることが多く、特別感を演出できます。
磁気ストライプは、カード裏面の黒い帯に会員情報を記録する仕組みです。専用のカードリーダーで読み取ることで、フィットネスジムの入退室管理やポイントシステムとの連携ができます。磁気ストライプには耐久性の高いHiCo(高抗磁力)タイプと、コストを抑えたLoCo(低抗磁力)タイプがあります。頻繁に読み取りを行う施設ではHiCoがおすすめです。
最近はICチップを内蔵したカードも普及しています。かざすだけで認証できる非接触型は、会員の利便性を高めます。ただし、ICチップの導入には読み取り機器やシステム構築が必要なので、会員数や利用頻度を考慮して検討しましょう。
バーコード・QRコードの組み込み
会員証にバーコードやQRコードを印刷すれば、受付業務がぐっとスムーズになります。バーコードリーダーで読み取るだけで会員情報を呼び出せるので、手入力の手間がなくなります。
バーコードは、一般的なレジと同じ読み取り機器が使えるので、導入コストを抑えられます。会員番号を数字で表現するシンプルな仕組みなので、トラブルも少なく運用しやすいです。
QRコードは、バーコードより多くの情報を格納できます。会員番号だけでなく、名前や有効期限、会員ランクなどをひとつのコードにまとめられます。スマートフォンアプリと連携すれば、会員専用ページへの誘導やデジタルクーポンの配布も可能です。
コードを配置する際は、読み取りやすさを意識しましょう。サイズは15mm四方以上を確保し、コードの周囲には白い余白(クワイエットゾーン)を設けます。背景色との組み合わせにも注意が必要で、白地に黒のコードが最も読み取り精度が高くなります。
有効期限の印字方法
会員証の有効期限をどう表示するかは、運用方針によって変わります。主な方法を3つご紹介します。
ひとつ目は、印刷時に期限を固定する方法です。「2027年3月31日まで有効」のように、全員共通の期限を印刷します。年度更新の会員制度で、一斉に新しいカードを発行する場合に適しています。印刷コストも抑えられます。
ふたつ目は、可変印刷で個別に期限を入れる方法です。入会日から1年間有効にする場合など、会員ごとに異なる期限を印刷できます。デジタル印刷技術を使えば、1枚ずつ違う内容を印字できます。ただし、通常の印刷より単価は高くなります。
みっつ目は、カード自体に期限を印字せず、システムで管理する方法です。会員番号だけを印刷し、有効期限はデータベースで管理します。期限延長や変更があっても、カードを再発行する必要がありません。フィットネスクラブやスクールなど、継続利用が前提のサービスで採用されています。
まとめ
会員証の仕様選びでは、まず素材(紙かプラスチックか)を決め、次に機能(磁気ストライプやバーコードなど)を検討し、最後に有効期限の表示方法を決めましょう。短期間・低コストなら紙製、長期間・高級感重視ならプラスチック製がおすすめです。
会員証は、単なる身分証明ではなく、サービスの価値を伝えるツールでもあります。会員が「持っていてうれしい」と感じるカードを作ることで、リピート率や満足度のアップにつながります。仕様選びに迷ったら、お気軽にご相談ください。