文字のアウトライン化とは?Illustratorでの手順と注意点【印刷入稿】
更新日: 2026年2月7日 / カテゴリ: テクニカルガイド
印刷入稿時に「フォントがないため表示できません」「文字が違うフォントに置き換わっています」というトラブルを経験したことはありませんか?
この記事では、印刷入稿に必須の文字のアウトライン化について、Illustratorでの手順と注意点を図解で分かりやすく解説します。
この記事の目次
アウトライン化とは何か
アウトライン化とは、テキスト(文字)データを図形(パス)データに変換することです。
文字を輪郭線(アウトライン)で構成された図形に変換する作業です。アウトライン化後は、文字ではなく「形」として扱われるため、どのパソコンでも同じ見た目で表示・印刷できます。
アウトライン化前
テキストデータ
(フォント情報が必要)
アウトライン化後
図形(パス)データ
(フォント不要)
アウトライン化された文字は、Illustratorの「ダイレクト選択ツール」で選択すると、文字を構成するアンカーポイント(点)が表示されます。これが文字が図形に変換された証拠です。
なぜ印刷入稿にはアウトライン化が必要なのか
印刷会社にデータを入稿する際、アウトライン化は必須の作業です。その理由を解説します。
フォントの置き換えトラブルを防ぐ
パソコンに表示される文字は、そのパソコンにインストールされているフォントを使用して表示されます。
- 印刷会社のパソコンに同じフォントがない場合、別のフォントに置き換わる
- 文字の形が変わり、デザインが崩れる
- 文字間隔が変わり、レイアウトがずれる
- 最悪の場合、文字が表示されない
特に、有料フォントや特殊なフォントを使用している場合、印刷会社のパソコンにはインストールされていないことがほとんどです。
アウトライン化のメリット
| 項目 | アウトライン化前 | アウトライン化後 |
|---|---|---|
| フォント環境 | 同じフォントが必要 | フォント不要 |
| 他のPCで開く | 置き換わる可能性 | 同じ見た目で表示 |
| 印刷入稿 | トラブルの原因 | 問題なし |
| 文字の編集 | 編集可能 | 編集不可 |
アウトライン化すると文字の編集ができなくなります。そのため、必ずアウトライン化前のデータをバックアップとして保存しておきましょう。
Illustratorでアウトライン化する手順
Illustratorでテキストをアウトライン化する方法を、ステップごとに解説します。
方法1:選択したテキストをアウトライン化
特定のテキストだけをアウトライン化する場合の手順です。
テキストを選択
選択ツール(V)で、アウトライン化したいテキストをクリックして選択します。
「アウトラインを作成」を実行
メニューバーから以下を選択します。
または、ショートカットキーを使用:
Ctrl + Shift + O(Windows)
Cmd + Shift + O(Mac)
方法2:ドキュメント全体を一括アウトライン化(推奨)
入稿前に、すべてのテキストを一括でアウトライン化する方法です。入稿時はこの方法を推奨します。
すべてのレイヤーのロックを解除
レイヤーパネルを開き、ロックされているレイヤーやオブジェクトがあればすべて解除します。
ロックされたオブジェクトはアウトライン化されません!必ずすべてのロックを解除してください。
非表示レイヤーを表示
非表示になっているレイヤーがあれば、表示状態にします。非表示のテキストもアウトライン化されないためです。
すべてを選択
メニューバーから以下を選択します。
ショートカット:Ctrl + A(Win)/ Cmd + A(Mac)
アウトラインを作成
ショートカット:Ctrl + Shift + O(Win)/ Cmd + Shift + O(Mac)
別名で保存
アウトライン化が完了したら、別名で保存して入稿用ファイルとします。
※元のファイル名に「_ol」などを付けて区別すると便利です(例:flyer_ol.ai)
すべての文字が図形に変換され、フォント環境に依存しないデータになりました。
アウトライン化の確認方法
アウトライン化が正しく完了しているか、入稿前に必ず確認しましょう。
方法1:フォントの検索で確認(推奨)
「フォントの検索」を開く
フォントリストを確認
「ドキュメントのフォント」リストに何も表示されていなければ、すべてのテキストがアウトライン化されています。
フォントが表示されている場合は、まだアウトライン化されていないテキストが残っています。
方法2:表示方法を変えて確認
アウトラインモードで表示すると、アウトライン化された文字はパスの輪郭のみが表示されます。
ショートカット:Ctrl + Y(Win)/ Cmd + Y(Mac)
アウトライン化された文字は、ダイレクト選択ツールで選択するとアンカーポイント(点)が表示されます。テキストのままの場合はアンカーポイントは表示されません。
アウトライン化する前の注意点
アウトライン化は元に戻せない作業です。必ず以下の点に注意してください。
1. 必ずバックアップを取る
アウトライン化すると、文字の編集(打ち直し、フォント変更など)ができなくなります。必ずアウトライン化前のデータを別ファイルとして保存しておきましょう。
おすすめのファイル管理方法:
- 元データ:flyer.ai(テキスト編集可能な作業用)
- 入稿用:flyer_ol.ai(アウトライン化済み)
2. 誤字脱字を最終確認
アウトライン化後は文字の修正ができません。誤字脱字がないか、アウトライン化前に必ず確認しましょう。
3. ロックと非表示を解除
ロックされたオブジェクトや非表示のレイヤーにあるテキストは、アウトライン化されません。
- レイヤーのロック解除
- オブジェクトのロック解除(Ctrl + Alt + 2)
- 非表示レイヤーの表示
アウトライン化できないケースと対処法
「アウトラインを作成」を実行しても、アウトライン化できない場合があります。よくあるケースと対処法を紹介します。
ケース1:オブジェクトやレイヤーがロックされている
ロックされているテキストは選択できないため、アウトライン化されません。
レイヤーパネルですべてのロックを解除するか、「オブジェクト」→「すべてをロック解除」を実行します。
ケース2:非表示レイヤーにテキストがある
非表示のレイヤーにあるテキストは、「すべてを選択」しても選択されません。
レイヤーパネルで非表示レイヤーを表示状態にしてから、再度アウトライン化を実行します。
ケース3:エンベロープ内のテキスト
エンベロープ(ワープ、メッシュ)を適用したテキストは、通常の方法ではアウトライン化できません。
「オブジェクト」→「エンベロープ」→「拡張」を実行してから、アウトライン化します。
ケース4:パターン内のテキスト
パターンとして登録されたテキストは、通常の方法ではアウトライン化されません。
「オブジェクト」→「分割・拡張」を実行してパターンを分解し、その後アウトライン化します。
ケース5:グラフ内のテキスト
グラフツールで作成したグラフ内のテキストは、グループ化されているため直接アウトライン化できません。
グラフを選択して「オブジェクト」→「グループ解除」を実行し、その後アウトライン化します。
Officeデータの場合
Word・Excel・PowerPointなどのMicrosoft Office系ソフトで作成したデータは、Illustratorとは仕組みが異なります。
Office系ソフトには「アウトライン化」の機能がありません。そのため、そのままでは印刷入稿に適しません。
Officeデータを入稿したい場合
アイリィデザインでは、「データ変換オプション」をご用意しております。
- Word / Excel / PowerPoint のデータを印刷用データに変換
- フォントのアウトライン化処理を含む
- カラーモード(CMYK)への変換
アイリィデザインでの入稿ルール
アイリィデザインへのデータ入稿時は、以下のルールをお守りください。
入稿前チェックリスト
- すべての文字をアウトライン化してください
- 「フォントの検索」でフォントが残っていないか確認
- 配置画像は埋め込みにしてください
- カラーモードはCMYKに設定
- 塗り足し(3mm)を作成してください
- ファイル形式は.aiまたは.pdf
アイリィデザインでは、入稿データのチェックを無料で行っています。アウトライン化忘れなど問題があった場合は、お客様にご連絡の上、修正のご依頼をさせていただきます。
よくある質問(FAQ)
まとめ:アウトライン化のポイント
- アウトライン化は文字を図形に変換する作業
- 印刷入稿時には必須(フォントトラブル防止)
- ショートカット:Ctrl + Shift + O
- 「フォントの検索」で残りフォントを確認
- 必ずバックアップを取ってからアウトライン化
- ロック・非表示レイヤーは事前に解除